世にも不思議な損保の世界

現役損保社員として20数年、業界に対して思うこと、保険やお金に関する話を面白おかしくつづります。

掛け金は一体どこへ

生徒総合保障制度や学生総合保障制度と呼ばれる保険。 保護者は自分の子どもの安全を祈ってこの保険に入ります。 ケガをしたら大変、自らに万が一のことがあったら大変、 そんな思いで大切なお金を支払います。 平均すると年間掛け金1万円くらいです。 大学…

良く分からないのに入る保険

生徒総合保障制度、学生総合保障制度。 これって何の保険だと思いますか。 しかもいったい何が総合なんでしょう。 私は学校マーケットにも携わっていました。 そこで中心となるのがこの保険。 何の保険かと言うと学校に通う子どもの傷害保険です。 補償内容…

存在しないの団体の保険

団体保険は加入者が多ければ多いほど割引率が高くなります。 募集する方からすれば、 一人でも加入者が多くなるように募集方法を工夫します。 でも少しよからぬことを考える人はより多くの加入者を集めるために 団体自体を作ろうとします。 私が赴任した時に…

役所の保険の切り札

前回もお話ししましたが、役所の保険を取るのは大変です。 基本的に入札という壁がありますので最安レートでないと取れません。 やむを得ずガチの入札となった時は必死で保険料を下げます。 事業者向けの保険は自由料率ですから理論上いくらでも下げられます…

市役所の保険

当時の課では市役所の保険を扱っていました。 建物などは共済で入っていることも多かったのですが、 それでも結構な金額の保険料をもらっていました。 例えば自動車保険。 市役所全体では何十台、何百台という台数の自動車がありますから かなりの保険料規模…

ルール違反はタイミングの問題か

この場所はコンプライアンス問題だらけでした。 団体割引を使って割安な保険を扱っていたのですが、 団体割引の適用にあたってルール違反しているものが多かったのです。 中でも団体性に問題あり、という契約が多かったです。 ちなみに団体契約というのは、 …

虎の威を借る狐の話

今回も保険会社に対して立場が強い代理店の話です。 それはドクターの保険を扱う代理店。 当時一番ベテランの担当者が担当していました。 仕事の内容はその代理店のご機嫌伺いと情報収集です。 昼前にいそいそと出掛けてそこの人達と昼食を共にします。 そこ…

チケット紛失事件

この仕事をしていると大規模代理店に対しての立場が本当に弱くなります。 大規模代理店は損保との取引が自由にできるからです。 大口契約を更新のタイミングで他損保に持っていかれたらえらいことです。 そんな関係なので損保社員は大規模代理店様にはひたす…

怪しげな代理店の存在

今回の話は私ではなく、当時の後輩の話です。 その後輩はとにかくたくさんの代理店を担当していました。 私もたくさん担当していましたが、その後輩もかなり多かったです。 ベテランの担当者はあまり担当を持たず、 課の運営や重要顧客を担当するという分担…

やっぱり代理店様です

ディーラー営業を離れれば無茶な仕事はないと思っていました。 しかしそれは幻想に過ぎませんでした。 前回お話ししたマンション管理会社での話です。 自社を含めた2社で保険を取り合う形となっていました。 選択権は本来お客様である管理組合のはずです。 …

マンション保険の割引

当時マンション管理会社を担当していました。 これも名前を聞けば誰もが知っている会社でした。 主な保険種目は分譲マンションの共用部を対象とする火災保険でした。 その管理会社では自分の会社を含めて2社の取り扱いがありました。 マンションを建てる度…

大変な保険

この塾では教室向けの傷害保険もやっていました。 経営者、雇われ先生を対象とする団体保険です。 これも年間何千万円かの保険料の保険となっていました。 団体保険であったために毎年の募集は大変でした。 当時も保険の募集帳票というのはかなり厳格化され…

適当な保険

全国にフランチャイズ展開する塾の保険の話です。 その保険は通塾する児童がケガをした時に保険金を払うものでした。 よくそんな保険作ったなって感じです。 これも保険料計算の根拠があいまいでした。 以前からずっとそのままの内容になっていました。 聞い…

危険な保険

当時保険業界にコンプライアンスという概念が登場しました。 正しくないことは全て見直す、というのが基本です。 業界側からするといきなり規制が厳しくなりました。 というかそれだけいい加減な保険が多かったかということです。 そんな時代、先の高校野球…

不公平な保険

次に取り掛かったのは野球の保険です。 全国の高校野球部を対象にしており、保険料規模も数千万円単位でした。 さて今年の満期はいつで、内容はどんなものかな? 練習中にボールが飛んで近くの車にぶつかって窓ガラスを割ったら下りると。 ボールが人にあた…

恐ろしい空港の保険

赴任早々、とある空港の何千万もの保険の満期が到来。 種目は火災保険、賠償責任保険、海上保険、運送保険・・・、 何じゃこりゃー(怒) そもそも個人の火災保険の保険料の出し方すら分からないのに。 いきなり空港の、しかも本部照会、本部稟議になる特殊…

保険のことが分からない

約6年のディーラー営業を経て新しい職場に赴任しました。 新しい職場は主に公的機関や企業を相手にする営業でした。 心の中ではやっと心とお金がすり減るディーラー営業から解放された、 これからは常識が通用する相手に普通の仕事ができるぞ、と思っていま…

明るい未来

結局、新入社員時から約6年ディーラー営業に関わりました。 素晴らしい人も多く、勉強になることも多かったです。 ディーラーの営業マンとも個人的に仲良くなることも多く、 今でも交流が続いている人もいます。 ただ仕事自体はディーラー側からは下に見ら…

ディーラー営業の恋愛事情

ディーラー営業部の仲はとても良かったです。 その後いくつかの部署に転勤しましたが、どこよりも一体感がありました。 その仲の良さから禁断の恋もいくつかあったようで。 同じ課の中で付き合っているケース。 男性側は妻帯者、女性側は独身。 普段はあまり…

溶ける車

当時私が担当していた輸入車ディーラーでの話です。 営業マン同志が「あの車溶かしただろう」「ええ」みたいな会話をしていました。 「車を溶かす」って何のことだろうとその営業マンに聞いてみました。 「車を溶かすっていうのは下取車を横流しすることだよ…

怒涛のゴルフコンペ

当時のディーラー営業では年に2回ゴルフコンペがありました。 コンペ名は部長の名前を冠して〇〇杯という名称でした。 ゴルフが下手だった私には苦い思い出です。 ディーラー営業は接待営業の王道ですからゴルフがうまい人が多いです。 そんな中でゴルフ嫌…

解約手続き代行します

当時担当していた中古車店の話。 そのディーラーは自動車保険に相当力を入れていました。 トップ自ら各営業所の日報に目を通し、成績が悪い営業マンに電話をするくらいです。 実際保険の切替のやり方も凄いものでした。 普通自動車保険の切替は満期で行いま…

プロレスラーはベンツがお好き?

担当していた輸入車ディーラーの話。 訪問していた時、展示車にどこかで見たことのある人が。 それは有名なプロレスラーでした。 それも大きいことで有名なプロレスラー。 そんなレスラーが展示車に乗り込んでいました。 その車は何とメルセデスベンツのCク…

トレンディ女優の免許証

事務所にいた時のことです。 事務所の向こうの方で歓声が上がっていました。 私は何だろうと思って駆けつけました。 そこには当時トレンディドラマ(古い!)に出ていた有名女優の免許証コピーが。 先輩が説明してくれました。 担当していた輸入車ディーラー…

バブルがはじけた芸能人

輸入車ディーラーを担当していた時のこと。 そこのNo.1営業マンのお客様に一世を風靡した芸能人がいました。 そこで車を買うだけでなく自動車保険にも加入してくれていました。 ある時そこで買った車ではない自動車保険の見積依頼が来ました。 証券を見…

浮気していた芸能人

当時担当してた輸入車ディーラーの話。 とある有名芸能人がそこで車を買い、自動車保険の契約もありました。 ある時、その車で車両単独事故が発生したとの連絡がありました。 時間は深夜、場所は都内高級ホテルの駐車場。 深夜の事故の場合、飲酒運転が想定…

若者の悲しい末路

担当していた中古車ディーラーでよくあった話です。 とある営業所は若者が好きそうなスポーツカーを専門に扱っていました。 やってくるのは免許取り立ての若いお兄ちゃん達です。 かっこいいスポーツカーを見たら欲しくなるのも仕方ありません。 彼らは吸い…

黄色い車の担当者

スーパーディーラー担当者列伝です。 とある寒い地域のディーラーの話。 そこのディーラー担当も多分に漏れず伝説を持っています。 そのディーラー担当者も車を頻繁に買い替えるのは当然のこと。 ただその車はディーラー完全指定の高級車。 但し、売れずに残…

召使い系ディーラーの話

先輩から聞いたディーラーの話です。 そのディーラーではよく土日にイベント実施します。 先輩の担当ディーラーでは取引損保がイベントへの動員数を競うそうです。 「〇〇社、30人動員」「△△社、40人です」とディーラーに報告します。 当然そこに参加す…

時限爆弾のような契約

ある年度末のこと。 恒例のように開催される積立保険の目標達成に向けた打ち合わせでのこと。 進行役の先輩社員が「例の大口積立保険の失効は年度内にはまだ入らないよな」と。 聞かれた女子社員は答えました。「年度内は大丈夫です」と。 いったい何のこと…