油紙を使ったマジック
前回の続きです。
その女子社員は先輩女性社員を紹介してくれました。
その引き出しには古ぼけた油紙がありました。
一体何だろうと不思議に思いました。
するとその女子社員が「こうやって使うんです」と教えてくれました。
その油紙を申込書の捺印部分に置きました。
そしてその部分をボールペンのお尻でこすりつけ、剝がしました。
なんとそこには申込書にあった印影がくっきりと写っているではありませんか!
さらに女子社員はその印影のついた油紙を新しい申込書の捺印欄にこすりつけました。
なんとそこには新しい印影が写っているではないですか!
「これはすごい!」と驚いた私は感想を言いました。
「みんなこうやって工夫しているんです」と女子社員は笑みを浮かべて言いました。
その後、タバコの箱の中の銀紙を薄く剥がしたロウ紙でも同じことができるとか、
書き間違えた申込書の訂正印もこの要領で押せるんだとか、いろいろ教わりました。
私は驚きましたが、同時に「こういうものなんだ」と納得しました。
振り返ると、これが業界にいて不思議なことを不思議に思わなくなる第一歩でした。
もちろん今やったら重罪です。
あちこちの支社で見かけたあの油紙はいったいどこにいったのでしょうか。
でも印鑑についてはもっと驚くことがその後ありました。
それは後日書きたいと思います。
皆さん、どう思われますか?