読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

世にも不思議な損保の世界

現役損保社員として20数年、業界に対して思うこと、保険やお金に関する話を面白おかしくつづります。

知らないうちに押される印鑑

前回に続き、前任者からの引き継ぎを受けていた時の話です。

 

「印鑑のない申込書をもらったら登録課で印鑑を押すこと」と言われました。

「どういうことですか?」と聞きました。

「自動車販売店の営業マンは保険料の振込みだけで契約を受け付けるから、申込書に捺印がない」と。

 

当時の自動車保険は、お客様から保険料をもらうのと同時に、申込書に捺印をもらうのがルールでした。

今は個人の場合、サインになっています。

 

ところが、営業マンは自動車保険の更新の手続きでお客様を訪問することはせず、振り込みだけで契約手続きをしていたというわけです。

 

私は変だな、と思いつつも「これが損保営業なんだ」と思って受け入れました。

 

登録課というのは自動車販売店が自動車の登録をする時にその手続きをする課です。

彼らは彼らで車の登録に必要な書類を作成するのにお客様の印鑑が必要です。

役所に提出する書類を作成するために印鑑を押す必要があったのです。

ストックとして驚くほどの印鑑を持っていました。

 

当時、その登録課には通称「五千字」と呼ばれる印鑑の在庫がありました。

五千字と言われるくらいですから5,000字の印鑑があったんでしょうね(笑)

五十音順で冊子になっていて、該当ページを開くと印鑑の先の部分だけが糊でくっついていました。

イメージで言うと昆虫採集の標本みたいなもんです。

いろんな印鑑が標本のように並んでいました。

 

使うときには印鑑の先っちょを冊子から剥がして指先につけて捺印します。

よく考えればそのディーラーも当たり前のように他人の印鑑を押していたんですね(笑)

 

ところがその「五千字」にも存在しない名前の人がいます。

そんな時は印鑑の上半分と別の印鑑の下半分をくっつけて、新たな印鑑の完成です。

 

ちなみに余談です。

その登録課には「ゴッドハンド」と呼ばれる女性がいました。

その女性は3分の1ずつをくっつけて3文字の印鑑を作ることができたのです。

まさに神業でした。

f:id:otokichikun:20170116082145j:plain

 

皆さん、どう思われますか?