世にも不思議な損保の世界

現役損保社員として20数年、業界に対して思うこと、保険やお金に関する話を面白おかしくつづります。

こんな場合も支払われるなんて

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ディーラー営業ではよくある話です。

自動車保険で車の入替手続きをしてませんでした、という話。

 

車を買い替えると自動車保険の対象となる車も変更手続きが必要です。

自動車ディーラーで加入している場合、営業マンが対応します。

 

でも結構忘れる営業マン、多いです。

お客さんが他メーカーに乗り換えた場合、気づかないこともありますし。

 

この場合どうなるか。

残念、保険の対象が違うわけですから本来支払いの対象外です。

ところがこれがディーラー営業で発生すると・・・、

 

そうなんです、支払われる、が答えです。

「代理店である自動車ディーラーに非があり、契約者に責任を負わせるのは酷である」という理屈付けがなされて支払われます。

こういうケースで保険金を支払い、ディーラーに恩を売ってプラスに持っていく、というのはディーラー営業の腕の見せ所でした。

 

逆に「車両入替ができていないので支払えません」となるとどうでしょう?

契約者は烈火のごとく怒り、代理店であるディーラーは窮地に立たされます。

これを救うことでディーラーに恩を売ることができるのです。

 

ヒドいケースではこれをやらなきゃ保険扱い高を減らす、というのもあります。

自動車販売店と損保の関係なんてそんなもんです。

 

こうした対応をすることで損保に対する販売店の評価も上がり、さらには扱い高も増え、その担当者も社内で評価を得ていくわけです。

WinーWinの関係が成立していますよね。

 

あれ、保険会社としての公共性はどこへ?

 

皆さん、どう思われますか?