世にも不思議な損保の世界

現役損保社員として20数年、業界に対して思うこと、保険やお金に関する話を面白おかしくつづります。

目標は絶対達成すべし

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入社して最初の年度末のこと。

いきなり「積立保険の打ち合わせをするぞ」と先輩から言われました。

 

ディーラー営業は普段自動車保険自賠責保険の販売の仕事をしています。

ところが会社の年間目標達成のためには積立保険もやらないといけません。

 

そのために年度末は年間目標達成のために積立保険獲得の活動をします。

でも普段の仕事をしている限り、積立保険なんて出やしません。

その年も例年のごとく、いつの間にか担当者ごとの目標数値が割り当てられました。

 

計算方法はシンプル、足りない分を人数で頭割りです。

多少担当している販売店や入社年次も考慮されますが、大差はありません。

 

建前としては担当自動車販売店で実績を挙げることになっています。

ところが普段自動車の販売をしている人が積立保険を売るはずはありません。

 

結局次のような順番で進めていくことになります。

1.自動車販売店の営業マンに「売って」もらう。

2.自動車販売店の営業マンに「入って」もらう。

3.自動車販売店の内勤部門の人に「入って」もらう。

4.社内の同期、内勤部門の人達、友人、知人、親族に「入って」もらう。

5.やむなく自分で「入る」。

 

損保営業社員は自動車販売店に対して立場が弱いです。

したがって1.~3.はすぐに全滅します。借りも作りたくないですし。

 

そうこうしているうちに年度末はどんどん近づいてきます。

毎日の打ち合わせでも先輩社員から詰められて逃げ場がなくなってきます。

 

仕方なく友人や親に泣きついて4.を頑張りますが、それでも足りません。

結局5.にたどりつきます。こうして給料は積立保険に形を変えることになります。

これが最初の年の年度末のことでした。

 

当然これは毎年の恒例行事になります。

これがトラウマとなって未だに積立保険や生命保険に苦手意識があります。

保険業界では各社どこも似たり寄ったりだと思います。

 

皆さん、どう思われますか?