ルール違反はタイミングの問題か
この場所はコンプライアンス問題だらけでした。
団体割引を使って割安な保険を扱っていたのですが、
団体割引の適用にあたってルール違反しているものが多かったのです。
中でも団体性に問題あり、という契約が多かったです。
ちなみに団体契約というのは、
同じ団体メンバーの契約だから保険料を10%とか割り引いていいですよ、
という契約のことです。
団体契約と呼ばれるためには、加入者には同一性が求められます。
ところがそうでない人たちが紛れていることがあります。
これを団体への混入と言っていました。
これがドクターの契約で発生したのです。
ドクターの場合、法人成りしている人と個人経営している人がいます。
これを同じ団体として割引して引き受けしていたのです。
こういったことが判明するとどうなるのか。
金融庁に届け出をし、改めて適正な引き受けに直す必要があります。
これが発覚しただけで関係者の人事評価は下がります。
先にも書いたようにここは私の担当ではなかったのですが、
当時は課の中がすごく暗かったのを思い出します。
当時の課長も周囲から「俺だったら線路に身を投げてるよ」
みたいに言われていたようです。
ところが届け出以上に大変なのが契約の修正です。
今まで割安な保険に入っていた人に「高くなります」と言うことになります。
スムーズに進むはずがありません。
もちろん引受している代理店にも影響があります。
しかもその代理店は損保に対して威圧的な態度を取る代理店なのです。
下手をすると取引停止です。
途中経過の詳細が若手の私のところに伝わるはずもありませんが、
この件は何とか無事終了したようです。
でも絶対その前の担当者も知っていたはずなんですよね。
それまではコンプライアンスに対して大らかだったようです。
ある程度のことには目をつむって大口契約が優先していたのでしょう。
そして私赴任した時期にコンプライアンスの嵐が吹いたのです。
結局その課長もその後関連会社に転籍していきました。
責任を取らされたんでしょうね。
でも問題の根源を作った人たちは成果を挙げて評価されたのでしょう。
結局はタイミングの問題だったのかなと思います。
皆さん、どう思われますか?