世にも不思議な損保の世界

現役損保社員として20数年、業界に対して思うこと、保険やお金に関する話を面白おかしくつづります。

存在しないの団体の保険

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団体保険は加入者が多ければ多いほど割引率が高くなります。

募集する方からすれば、

一人でも加入者が多くなるように募集方法を工夫します。

 

でも少しよからぬことを考える人はより多くの加入者を集めるために

団体自体を作ろうとします。

私が赴任した時にもそんな始末書が残っていました。

 

公立高校の生徒を対象とした傷害保険の話です。

1校だけだと十分な加入者が集まらない、

またたくさんの学校単位で契約を立ち上げると事務的にも煩雑になる。

 

そんな理由でそれらを束ねるように「〇〇県下公立学校生徒保障制度」

みたいな団体名を作り、代表者も適当に作って募集を掛けたようです。

 

団体割引も効いて加入者にとってもメリットは大きい、

契約管理も効率化されて代理店も管理が楽になる、

保険会社も大きい保険になり同じく管理も楽になる、

何と関係者にとって何とも素敵な保険の出来上がりです。

 

などという簡単な話ではありません。

やっぱりこれもルール違反に間違いありません。

これができるなら「日本高校生生徒保障制度」みたいな

団体を立ち上げて募集すればものすごい契約になりますから。

 

結局私が赴任する前にこの団体は「架空団体」として

前任の担当者が始末書を書くことになってしまいました。

 

その始末書を私が見ることになったということです。

でもこれって団体を立ち上げる時に分かっていたことだと思います。

当時はそんなことよりも数字優先の空気だったんでしょう。

 

保険会社も何でもありだったのでしょう。

ひょっとしたらどこかでまだこんな契約が存在しているかもしれません。

 

ちなみにこの時の始末書は「代理店が主体で実施した」となっていました。

でも担当者は気づいていたと思います。

皆さん、どう思われますか?