読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

世にも不思議な損保の世界

現役損保社員として20数年、業界に対して思うこと、保険やお金に関する話を面白おかしくつづります。

保険セールスお断り

f:id:otokichikun:20170211234206g:plain

ちょっと今回の話は長めです。

 

当時、私の担当ディーラーは積立保険に積極的ではありませんでした。

おかげで年度末以外はあまり「自爆」(自分で保険に入ること)せずに済みました。

ところがその日は突然やってきました。

 

その頃、損保でも生保を売るようになりました。

規制緩和というやつです。金融ビッグバンとも言われましたっけ。

とにかく我々ディーラー営業にも生保の目標が乗っかってきました。

でも積立保険も売れないディーラーで生保なんて売れるはずはありません。

 

でもディーラーには売るための必殺技があります。

そう、「キャンペーン」と呼ばれるただのノルマ強化期間の設定です。

 

話はそれますけど、損保業界ではこのキャンペーンという言葉を良く使います。

代理店や営業マンを件数や保険料でランキングして表彰するイベントです。

たくさん契約を取った営業マンや拠点が表彰されることになります。

 

さて、私の担当ディーラーでも生保キャンペーンがスタートしました。 

ディーラーの社員1人1件で目標が割り当てられました。

契約なんて出るわけありません。

誰が車の販売店で生命保険に加入するでしょうか。

 

キャンペーン期間はまたたく間に終盤に差し掛かりました。

私は焦りました。ヤバい、ディーラーに怒られる、課長にも怒られる。

ところが今回のキャンペーン、さらにマズい事態が発生していました。

 

ディーラー営業マンは最初から自爆を覚悟していました。

上が決めたキャンペーンだから反抗ができませんが目標はやらねばなりません。

ところが今回のキャンペーン、営業マンが自爆したくても自爆できません。

そう、生命保険は社員が自分の会社で加入することができないのです。

 

生保には「構成員ルール」と呼ばれる特殊なルールがあります。

会社の「構成員」である社員は自分の会社が代理店となる生命保険に入れないのです。

会社で入れば楽だし、会社の収益にもつながるのに変な話です。

 

このルールには裏があります。

生保レディにとって職域という最大のマーケットを守るためと言われています。

そのために生保業界がゴリ押ししたと言われています。

生保業界は政界に影響力を持っているそうですから。

 

これだけならまだ「頑張って外販しましょう」と言えました。 

ところが同時期にキャンペーンをしていた他損保は外資系生保を扱っていました。

なんと外資系生保は第三分野(医療・がん)に限って構成員ルールが外れるのです!

じゃあ「構成員ルールって何なの?」と突っ込みを受けそうです。

 

これはアメリカの圧力と言われています。

某アヒルの外資系生保会社ががん保険を売りまくっています。

日本社に規制があるなかで、外資系はこのルールに守られていました。

生保業界は政治的な圧力で訳の分からないことが多いです。

 

今はそのルールはもう撤廃されました。

でも当時は日本社だけに「構成員ルール」が適用されていたのです。

私の所属する損保は日本社ですからこの構成員ルールの対象でした。

 

多くのディーラー営業マンはそこの損保(生保?)で自爆しようとしました。

キャンペーンの件数目標を達成しないと上から怒られますから。

 

これはマズい!

自分が担当する拠点の営業マンがこぞって他損保(他生保)の保険に入るなんて。

上司やディーラーに半殺しにされないよう私は頭の中でいろいろ考えました。

 

そして決めました。

他損保で入られるくらいなら自分が保険をかき集めて営業マンの成績にしてしまえ!

そこから私は自分のみならず、親兄弟、知人友人の契約をかき集めました。

そして自分が担当する拠点の営業マンの成績にしました。

 

私は何とかキャンペーンの目標をやり切り、他損保の攻勢も乗り切りました。

一方で親兄弟、知人友人からはしっかり「保険屋」のレッテルを貼られました。

身内に保険を売る「保険屋」のイメージそのものです。

二度とこんな経験はしたくないと思いました。

 

キャンペーンという言葉、思い出したくもありません。

 

皆さん、どう思われますか。