浮気していた芸能人
当時担当してた輸入車ディーラーの話。
とある有名芸能人がそこで車を買い、自動車保険の契約もありました。
ある時、その車で車両単独事故が発生したとの連絡がありました。
時間は深夜、場所は都内高級ホテルの駐車場。
深夜の事故の場合、飲酒運転が想定されるので調査が入ります。
今回のケースも当然のことながら調査が入りました。
事件はそこからでした。
ディーラーの営業担当者から「調査はやめてくれ」と電話が入りました。
「彼はお酒は飲めない。自分が保証する。だから調査に入るのはやめてくれ」と。
営業所に訪問した私は「別に変な調査じゃないですよ」と答えました。
「いや、わかるだろう。コレだよコレ」と相手は小指を立てました。
そう、ホテルに奥さん以外の女性と一緒にいたらしく、調査はマズいとのこと。
私は帰社し、その旨損害部門の担当者に伝えました。
営業の要請として「お願いだから調査はやめてくれ」と。
理由は忘れましたが、正直に話をしたら調査はなしになりました。
ディーラー営業やっているとこんなことは日常茶飯事です。
皆さん、どう思われますか?
若者の悲しい末路
担当していた中古車ディーラーでよくあった話です。
とある営業所は若者が好きそうなスポーツカーを専門に扱っていました。
やってくるのは免許取り立ての若いお兄ちゃん達です。
かっこいいスポーツカーを見たら欲しくなるのも仕方ありません。
彼らは吸い込まれたように試乗させられ、そのまま契約へ。
お金なんて持っていませんからもちろんフルローンです。
高い金利を払って5年くらいのローンを組むことになります。
彼らは自動車保険にも入ります。
ところが全年齢の自動車保険を新規で加入するとすごい保険料になります。
スポーツカーで車両保険もしっかりつけると当時年間60万円くらいでした。
当然一気に払うことなんてできません。
なんとローンに保険料も入れ込んで5年間に渡って返済していくのです。
1年間の自動車保険料を5年間で返済していくことになります。
このパターンにはまった若者はかなりの確率で地獄に落ちていきます。
翌年自動車保険の更新が来ます。
ところが支払う保険料はローン支払いに丸ごと上乗せされることになります。
去年の保険料は5年ローンに組み込まれているわけですから。
若者は目一杯のローンを組んでいるので何十万の保険料なんて払えません。
ほとんどの場合、車両保険を削ることになります。
そう、あとはお決まりのパターン。
自損事故 → 保険金下りない → 廃車 → ローンだけ残る。
また一人、借金を抱えた若者の発生です。
分かっていても中古車店は若者にスポーツカーを売ります。
ひどい話だとその事故車をそのディーラーが買い取ることもあるそうです。
車が戻ってきてまたそれを販売するということになります。
若い人は身分相応の車に乗った方が良いと私は思います。
皆さん、どう思われますか?
黄色い車の担当者
スーパーディーラー担当者列伝です。
とある寒い地域のディーラーの話。
そこのディーラー担当も多分に漏れず伝説を持っています。
そのディーラー担当者も車を頻繁に買い替えるのは当然のこと。
ただその車はディーラー完全指定の高級車。
但し、売れずに残った長期在庫車なので黄色など派手な色だったりします。
そんな車で街中走るのはかなり恥ずかしそうです。
そのディーラーの社長は麻雀好きで、損保社員は良く誘われるそうです。
ところが、絵にかいたような接待麻雀をしなければいけないとのこと。
基本的に負けなければいけません。
そのディーラーは当然全国でも名が知れ渡っていました。
そこへの辞令が出ると皆から憐みの目で見られます。
でも自分が担当している時に数字を落とすわけにはいかない。
やっぱり代々同じことが繰り返されていくことになります。
仕事のためにすべてを捧げる。
サラリーマンとしての評価を賭けて。
皆さん、どう思われますか?
召使い系ディーラーの話
先輩から聞いたディーラーの話です。
そのディーラーではよく土日にイベント実施します。
先輩の担当ディーラーでは取引損保がイベントへの動員数を競うそうです。
「〇〇社、30人動員」「△△社、40人です」とディーラーに報告します。
当然そこに参加する社員はそのディーラーで購入した車で駆けつけます。
新車で同じ車種がズラッと並ぶ様子はかなり壮観らしいです。
イベントは損保社員のサポートの元、粛々と実施されていきます。
別の話です。
各損保の部長は毎朝の日課としてそのディーラーの社長室に行くそうです。
そして社長の机を拭いているそうです。
それを忘れたがために出入り禁止になった部長がいたという噂。
また天皇と言われるそこの社長の旅行には各損保の部長が同行するそうです。
しかも24時間行動を共にするとのこと。
まるで召使いのように対応するのです。
ある損保の部長はどうしても家族にお土産を買いたいと思ったそうです。
「どうかお腹をこわして病院に行ったことにしてもらえないか」
と他損保の部長に懇願してお土産を買いにいったそうです。
とことんディーラー様様です。
凄いディーラーの話はまた紹介していきたいと思います。
皆さん、どう思われますか?
時限爆弾のような契約
ある年度末のこと。
恒例のように開催される積立保険の目標達成に向けた打ち合わせでのこと。
進行役の先輩社員が「例の大口積立保険の失効は年度内にはまだ入らないよな」と。
聞かれた女子社員は答えました。「年度内は大丈夫です」と。
いったい何のことだ?
会議の後でその先輩社員に聞いてみました。
「ああ、さっきの話ね。ウチの課から転勤で出て行った奴が、飲み屋の女性から取った積立保険の支払いが止まっている。このままだといずれ契約が失効になって、大きなマイナスが入る。年度末に入ったら大変なことなんでね」
そうです、年度末に大きなマイナスが入ると目標達成に大きな影響が出るのです。
でもその飲み屋の女性もやめてしまったらしく、音信不通のようです。
でもこの話、何年にも渡って続いていた話でした。
年度末近くになると何故か一定額の支払いがされたため失効にはなりませんでした。
どうにも本人が支払っている様子はありません。
払えるなら毎月払いますし、保険会社の年度末なんて関係ないですし。
契約を取ったその担当者が払っている「のだろう」という話でした。
自分が残した契約で迷惑を掛けるわけにはいきませんから。
毎年年度末に自腹を切って失効を逃れていたのでしょう。
まさに時限爆弾のような契約でした。
その後その契約がどうなったかは分かりません。
皆さん、どう思われますか?
目標は絶対達成すべし
入社して最初の年度末のこと。
いきなり「積立保険の打ち合わせをするぞ」と先輩から言われました。
ディーラー営業は普段自動車保険や自賠責保険の販売の仕事をしています。
ところが会社の年間目標達成のためには積立保険もやらないといけません。
そのために年度末は年間目標達成のために積立保険獲得の活動をします。
でも普段の仕事をしている限り、積立保険なんて出やしません。
その年も例年のごとく、いつの間にか担当者ごとの目標数値が割り当てられました。
計算方法はシンプル、足りない分を人数で頭割りです。
多少担当している販売店や入社年次も考慮されますが、大差はありません。
建前としては担当自動車販売店で実績を挙げることになっています。
ところが普段自動車の販売をしている人が積立保険を売るはずはありません。
結局次のような順番で進めていくことになります。
1.自動車販売店の営業マンに「売って」もらう。
2.自動車販売店の営業マンに「入って」もらう。
3.自動車販売店の内勤部門の人に「入って」もらう。
4.社内の同期、内勤部門の人達、友人、知人、親族に「入って」もらう。
5.やむなく自分で「入る」。
損保営業社員は自動車販売店に対して立場が弱いです。
したがって1.~3.はすぐに全滅します。借りも作りたくないですし。
そうこうしているうちに年度末はどんどん近づいてきます。
毎日の打ち合わせでも先輩社員から詰められて逃げ場がなくなってきます。
仕方なく友人や親に泣きついて4.を頑張りますが、それでも足りません。
結局5.にたどりつきます。こうして給料は積立保険に形を変えることになります。
これが最初の年の年度末のことでした。
当然これは毎年の恒例行事になります。
これがトラウマとなって未だに積立保険や生命保険に苦手意識があります。
保険業界では各社どこも似たり寄ったりだと思います。
皆さん、どう思われますか?
何でも買います
ディーラー営業時代、私だけでなく周りの先輩もいろんなものを売っていました。
一番多かったのはカードです。
各ディーラーは顧客の囲い込みのためにメーカークレジットカードを売っていました。
彼らなりのノルマがあったようです。
当然損保社員もそれに協力します。
当然私もひっきりなしにカードを申し込んでいました。
お金は掛からないので負担の少ない本業協力でした。
ただ手元には山のようにカードが残ります。
トランプができそうなくらいの数を持っていました。
加入するときに「すぐ解約していいから」と言われますが、解約は忘れます。
結局無駄な会費を払ってしまっていました。
浄水器を売っている先輩もいました。
つらそうだったので私も1つ買いました。
寮に住んでいたので使うことができず、実家にそのまま送りました。
先輩は寮の洗面所にその浄水器をつけました。
みんな使っていいよ、とのことでしたので私も浄水器の水で歯を磨きました。
あまり効果があったようには思えませんが。
寝袋、ハチミツなんてのもありました。
車を輸出していたメーカーが輸出国の外貨獲得に協力しているとのことでした。
もちろん両方買いました。
アウトドアの趣味がなかったので寝袋は他のディーラーの所長にあげました。
買ったときは5万円くらいしたような気がします。
ハチミツは朝のトーストに塗って食べました。
残念ながらあまりトーストとの相性は良くなかったです。
こんなふうにいろんなものをディーラーで買いました。
そのお金を貯金してたらどのくらい貯まったのだろうかと思います。
皆さん、どう思いますか?