読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

世にも不思議な損保の世界

現役損保社員として20数年、業界に対して思うこと、保険やお金に関する話を面白おかしくつづります。

溶ける車

f:id:otokichikun:20170325231103j:plain

当時私が担当していた輸入車ディーラーでの話です。

営業マン同志が「あの車溶かしただろう」「ええ」みたいな会話をしていました。

 

「車を溶かす」って何のことだろうとその営業マンに聞いてみました。

「車を溶かすっていうのは下取車を横流しすることだよ」とのこと。

 

本来そのディーラーで働いていればそのディーラーで下取りするのが普通です。

特にそのディーラーは正規ディーラーで中古車も扱っていましたから。

本来であれば下取車を中古車として再度販売するのが当然です。

 

「何故下取りにしないのですか?」と私は聞きました。

「そりゃ業者からバックがあるからでしょ」と言われました。

会社で下取りするより業者に流した方が営業マンの個人の収入になるからです。

 

一般的に自動車ディーラーの社員の定着率は低いです。

皆、歩合給の割合が高いのでとにかく毎月の収入が優先で売れなくなったらやめます。

そのディーラーでも、とにかく在籍中に稼ごうという意識が強かったです。

 

営業マンもそんな意識ですし、マネージャーも課の販売台数が優先です。

営業マンが車を溶かしても販売台数が稼げればそれでいいんです。

 

ディーラー自体もメーカーとの契約でとにかく販売台数稼ぐことで頭が一杯でした。

年度末は自社登録、つまり自社で車を買ってでも販売奨励金を取りに行っていました。

それでも販売奨励金の魅力の方が大きかったんでしょう。

 

そんなディーラーですから損保社員への購入圧力も結構強かったりします。

私もある年度末車を買うことになりました。

輸入車なので結構高額でためらいはありました。

 

でも営業数字は上がるし、悪くはないと腹をくくっていました。

ある日、所長に「さて、どの車にしましょうか?」と聞きました。

カタログを見せてもらって相談するイメージを持っていました。

 

ところが所長は「あ、あそこに停まっている車」と言いました。

「?」言われたことが一瞬分かりませんでした。

所長は在庫車が停まっている車庫の方向を指していました。

 

私は長期在庫の左ハンドル車を買うことになりました。

もちろんその後何年にも渡って高額のローンを払うことになりました。

しかも私の担当になった営業マンはその後しばらくして退職していきました。

保険をたくさん扱ってた彼の契約を切り替えようと思った私の当ても外れました。

 

皆さん、どう思われますか?