解約手続き代行します
当時担当していた中古車店の話。
そのディーラーは自動車保険に相当力を入れていました。
トップ自ら各営業所の日報に目を通し、成績が悪い営業マンに電話をするくらいです。
実際保険の切替のやり方も凄いものでした。
普通自動車保険の切替は満期で行います。
ディーラーはお客様の満期情報をつかみ、満期まで待って切り替え手続きをします。
でもそのディーラーはそんなまどろっこしいことはしません。
納車のタイミングで新しい保険に入らせます。
従来入っていた保険はそのタイミングで解約させるのです。
満期まで待っていられない、ということです。
割引等級自体は引継ぎできるので、大きく損をするわけではありません。
でも満期まで待てば1つ等級が進むのでその方がお客様のためかなとは思います。
でも本当の問題はそこではありません。
現在の契約の解約手続きをどうするのか。
ここに損保会社が大きく関わっていたところです。
損保社員は各社の承認請求書、つまり解約の申込書を各拠点に備え付けます。
担当者が他損保の営業店に行ってゲットするのです。
ディーラーの営業マンはお客様の自動車保険の証券を預かり、解約を代行します。
損保社員から配布された承認請求書にディーラー備え付けの印鑑で捺印、署名します。
そしてそれがディーラーの保険課経由で損保会社に提出されます。
受け付けた損保は証券と署名捺印された承認請求書を他損保に郵送するのです。
お客様は解約する意向はあるものの、手続き自体をディーラーに丸投げです。
お客様の手を煩わせることなく解約手続き完了です。
これ今やったら一発アウトです。
だって署名も捺印も本人のものじゃないわけですから。
恐ろしいですよね。
皆さん、どう思われますか?
プロレスラーはベンツがお好き?
担当していた輸入車ディーラーの話。
訪問していた時、展示車にどこかで見たことのある人が。
それは有名なプロレスラーでした。
それも大きいことで有名なプロレスラー。
そんなレスラーが展示車に乗り込んでいました。
その車は何とメルセデスベンツのCクラス!
いやいやいや、そりゃダメでしょ。
前から見るとフロントガラスは全てその人。
運転席も助手席も全部その人。
おまけに頭は天井に突き刺さっていました。
車体もかなり沈んでいるような。
やはり買わなかったそうです。
そりゃそうでしょう、定員1名になりますから。
プロレスラーつながりでもう一人。
当時プロレス業界は老舗団体からガチンコ系に人気が移っていました。
そんな中でも超有名なレスラーが展示車を見ていました。
結局SクラスとCLクラスを2台大人買いしたようです。
売れてるプロレスラーは儲かるんだなと思いました。
またデカい人はデカい車に乗るべきだと思いました。
たまには役得もあるもんです。
プロレスラーに限らず有名人はベンツがお好き。
他にもたくさん芸能人やスポーツ選手のお客さんがいました。
今回は特にオチもありません、失礼しました。
皆さん、どう思われますか?
トレンディ女優の免許証
事務所にいた時のことです。
事務所の向こうの方で歓声が上がっていました。
私は何だろうと思って駆けつけました。
そこには当時トレンディドラマ(古い!)に出ていた有名女優の免許証コピーが。
先輩が説明してくれました。
担当していた輸入車ディーラーで免許証コピーをもらったんだと。
有名人だけに周囲に人だかりができていました。
何故免許証のコピーをもらったのか。
それは確かに本人であることの確認のためでした。
自動車保険は一定の親族間の場合、割引の権利を引き継ぐことができます。
自動車保険の無事故割引が引き継げるというわけです。
親から無事故割引を引き継ぐというのはよくある話です。
ところが2回これを繰り返すと一定の親族を超えてしまうことがあります。
赤の他人に引き継がれることを防止するためです。
こうした行為を防ぐために短期間で保険の名義を変えた場合、
免許証コピーなどを提出してもらい、本人確認を実施します。
今回、この本人確認のための免許証コピーが提出されたのです。
理由はその女優が結婚したものの、すぐに離婚して旧姓に戻ったからでした。
今だったら個人情報漏えいだってえらいことになります。
でもその時はそんな法律もないし、何でもありでした。
おおらかな時代ですよね。
皆さん、どう思われますか?
バブルがはじけた芸能人
輸入車ディーラーを担当していた時のこと。
そこのNo.1営業マンのお客様に一世を風靡した芸能人がいました。
そこで車を買うだけでなく自動車保険にも加入してくれていました。
ある時そこで買った車ではない自動車保険の見積依頼が来ました。
証券を見ると前年の引受は300万円と、結構古いしそんなもんかな。
そして査定額を調べようとしたのですが、データがない。
中古車市場に出ていないので現在の価値が分かりません。
データがない時には新車価格から計算していきます。
新車価格はと・・・、3,000万円!当時100台だけ作られた限定モデル!
調べた結果、時価300万円は妥当なところだったのでそのまま引き受けました。
うーん、3,000万円で買った車がバブルがはじけて300万円か。
オーナーも昔は売れっ子でしたが最近全然見ないし、車の価値と連動しているな。
この時妙に納得した気持ちだったのを覚えています。
この人は事故を起こすこともなく、会うことはありませんでした。
優良契約者ですね。有難うございました。
すみません、今回の話はこれだけです。
皆さん、どう思われますか?
浮気していた芸能人
当時担当してた輸入車ディーラーの話。
とある有名芸能人がそこで車を買い、自動車保険の契約もありました。
ある時、その車で車両単独事故が発生したとの連絡がありました。
時間は深夜、場所は都内高級ホテルの駐車場。
深夜の事故の場合、飲酒運転が想定されるので調査が入ります。
今回のケースも当然のことながら調査が入りました。
事件はそこからでした。
ディーラーの営業担当者から「調査はやめてくれ」と電話が入りました。
「彼はお酒は飲めない。自分が保証する。だから調査に入るのはやめてくれ」と。
営業所に訪問した私は「別に変な調査じゃないですよ」と答えました。
「いや、わかるだろう。コレだよコレ」と相手は小指を立てました。
そう、ホテルに奥さん以外の女性と一緒にいたらしく、調査はマズいとのこと。
私は帰社し、その旨損害部門の担当者に伝えました。
営業の要請として「お願いだから調査はやめてくれ」と。
理由は忘れましたが、正直に話をしたら調査はなしになりました。
ディーラー営業やっているとこんなことは日常茶飯事です。
皆さん、どう思われますか?
若者の悲しい末路
担当していた中古車ディーラーでよくあった話です。
とある営業所は若者が好きそうなスポーツカーを専門に扱っていました。
やってくるのは免許取り立ての若いお兄ちゃん達です。
かっこいいスポーツカーを見たら欲しくなるのも仕方ありません。
彼らは吸い込まれたように試乗させられ、そのまま契約へ。
お金なんて持っていませんからもちろんフルローンです。
高い金利を払って5年くらいのローンを組むことになります。
彼らは自動車保険にも入ります。
ところが全年齢の自動車保険を新規で加入するとすごい保険料になります。
スポーツカーで車両保険もしっかりつけると当時年間60万円くらいでした。
当然一気に払うことなんてできません。
なんとローンに保険料も入れ込んで5年間に渡って返済していくのです。
1年間の自動車保険料を5年間で返済していくことになります。
このパターンにはまった若者はかなりの確率で地獄に落ちていきます。
翌年自動車保険の更新が来ます。
ところが支払う保険料はローン支払いに丸ごと上乗せされることになります。
去年の保険料は5年ローンに組み込まれているわけですから。
若者は目一杯のローンを組んでいるので何十万の保険料なんて払えません。
ほとんどの場合、車両保険を削ることになります。
そう、あとはお決まりのパターン。
自損事故 → 保険金下りない → 廃車 → ローンだけ残る。
また一人、借金を抱えた若者の発生です。
分かっていても中古車店は若者にスポーツカーを売ります。
ひどい話だとその事故車をそのディーラーが買い取ることもあるそうです。
車が戻ってきてまたそれを販売するということになります。
若い人は身分相応の車に乗った方が良いと私は思います。
皆さん、どう思われますか?
黄色い車の担当者
スーパーディーラー担当者列伝です。
とある寒い地域のディーラーの話。
そこのディーラー担当も多分に漏れず伝説を持っています。
そのディーラー担当者も車を頻繁に買い替えるのは当然のこと。
ただその車はディーラー完全指定の高級車。
但し、売れずに残った長期在庫車なので黄色など派手な色だったりします。
そんな車で街中走るのはかなり恥ずかしそうです。
そのディーラーの社長は麻雀好きで、損保社員は良く誘われるそうです。
ところが、絵にかいたような接待麻雀をしなければいけないとのこと。
基本的に負けなければいけません。
そのディーラーは当然全国でも名が知れ渡っていました。
そこへの辞令が出ると皆から憐みの目で見られます。
でも自分が担当している時に数字を落とすわけにはいかない。
やっぱり代々同じことが繰り返されていくことになります。
仕事のためにすべてを捧げる。
サラリーマンとしての評価を賭けて。
皆さん、どう思われますか?